低層マンション(3〜5階)の管理費・修繕積立金
エレベーターが無ければ更新費は丸ごと不要です。それでもデータ上、低層の管理費は中高層より2,000円以上高くなっています。

対象: 地上5階以下(エレベーターが無い建物を含む)
エレベーターが無ければ、保守費も更新費も丸ごと不要です。これは低層の最大のアドバンテージで、他のどのタイプにも真似できません。
それでもデータ上、4〜5階建の管理費の平均は13,880円で、 6〜10階建の11,484円より2,396円高くなっています。
有利な点と不利な点が両方ある、というのが低層の実像です。 この記事では両方を分けて示します。
階数別に見ると、低層は安くない
| 階数 | 管理費 | 修繕積立金 | 合計 | 回答数 |
|---|---|---|---|---|
| 3階建以下低層 | 13,642円 | 13,890円 | 27,532円 | 14件 |
| 4~5階建低層 | 13,880円 | 13,357円 | 27,237円 | 112件 |
| 6~10階建 | 11,484円 | 13,361円 | 24,845円 | 483件 |
| 11~19階建 | 10,688円 | 12,423円 | 23,111円 | 399件 |
| 20階建以上 | 14,415円 | 14,025円 | 28,440円 | 41件 |
単位: 円/月・戸(充当額を除く・単棟型) / 出典: 令和5年度マンション総合調査結果 集計表 管27⑥・管28⑥(7) / 3階建以下は有効回答14件と少なく、参考値として扱ってください / 全区分の度数分布を見る
なぜエレベーターが無くても安くならないのか
- 戸数が少ない — 低層は総戸数も少ないことが多く、管理員人件費や法定点検費を割る分母が小さくなります。 階数の効果ではなく規模の効果が混ざって出ている面があります。
- 延床に対する屋上・外壁の面積比率が高い — 同じ延床面積なら、階数が低いほど建築面積(=屋上面積)が大きくなります。 屋上防水は延床ではなく屋上面積で数量が決まるため、㎡単価としては不利に働きます。
- スケールメリットが働かない — ガイドラインは「建物の規模が大きくまとまった工事量になるほど、施工性が向上し、 修繕工事の単価が安くなる傾向がある」と述べています。低層小規模はこの逆側にいます。
つまりエレベーターの有無は効いてはいるが、他の不利を打ち消すほどではないというのがデータの読み方です。エレベーターがある低層マンションであれば、 この表の数字よりさらに不利になります。
団地型なら安くなる
低層でも棟数がまとまる団地型なら、スケールメリットが働きます。
| 形態 | 管理費 | 修繕積立金 | 回答数 |
|---|---|---|---|
| 単棟型 | 11,580円 | 13,041円 | 1049件 |
| 団地型 | 10,394円 | 12,923円 | 193件 |
単位: 円/月・戸(充当額を除く) / 出典: 令和5年度マンション総合調査結果 集計表 管27⑥・管28⑥(7)
管理費で1,186円の差があります。 ただし団地型は敷地が広く、ガイドラインも 「建物に比べて屋外部分の広いマンションでは、給水管や排水管等が長くなるほか、 アスファルト舗装や街灯等も増えるため、これらに要する修繕工事費が高くなる傾向がある」 と指摘しています。管理費で有利、屋外部分の修繕で不利、という構造です。
修繕積立金の目安は延床面積で決まる
ガイドラインに「低層」という区分はありません
区分は地上20階と建築延床面積だけで決まります。 5階以下であることは区分に影響しません。地上20階未満なので、 あとは建築延床面積で4区分の どれに入るかを見ます。
30戸×専有65㎡なら概算延床は 30×65×1.3 = 約2,535㎡。5,000㎡未満の区分で、 平均335円/㎡・月(幅235〜430円)が目安になります。
エレベーターが無い場合でも、ガイドラインの目安はそのまま適用されます。 ガイドラインは変動要因としてエレベーターの有無を挙げていますが、 金額の補正値は示していないためです。実際に不要なぶんは、 長期修繕計画の項目にエレベーター更新費が計上されていないことで確認してください。
低層で確認したいこと
- 屋上防水の周期と数量 — 低層は延床に対する屋上面積が大きく、屋上防水の比重が上がります。 大規模修繕工事費の内訳では防水関係が建築系工事の32.0%を占めます。
- エレベーター更新費の計上有無 — 無いのに計上されていれば削れます。あるのに計上されていなければ、それは不足です。
- 管理員の勤務形態 — 戸数が少ないぶん、人件費の1戸あたりの効き幅が大きくなります。
このタイプの位置づけ
高さ(階数)と規模(戸数)は独立した軸です。低層でも大規模な団地型があります。
| 小規模(〜50戸) | 大規模(51戸〜) | |
|---|---|---|
| 超高層(20階〜) | — | タワマン(20階以上) |
| 中高層(6〜19階) | 小規模(〜50戸) | 中規模(50〜200戸) |
| 低層(〜5階) | このページ | — |
よくある質問
- 低層マンションの管理費は安いのですか?
- 安くありません。国土交通省「令和5年度マンション総合調査」では、月/戸当たりの管理費の平均は4〜5階建が13,880円、3階建以下が13,642円で、6〜10階建の11,484円や11〜19階建の10,688円より高くなっています。エレベーターが無ければその保守費は不要ですが、戸数が少なく固定費を割る分母が小さいこと、延床面積に対して屋上・外壁の面積比率が高いことが効いています。
- エレベーターが無いと修繕積立金はどれくらい下がりますか?
- 国土交通省のガイドラインはエレベーターの有無で㎡単価を分けていないため、公的な数値としては示されていません。ガイドラインは変動要因として「エレベーターや機械式駐車場の有無及びその設置場所」を挙げていますが、金額の補正値は示していません。エレベーターが無い場合は、長期修繕計画の項目から更新費が計上されていないことを確認してください。
- 団地型の低層マンションはどうですか?
- 団地型のほうが安くなります。同調査では管理費の平均が単棟型11,580円に対し団地型10,394円、修繕積立金は単棟型13,041円に対し団地型12,923円です。戸数がまとまることでスケールメリットが働きます。ただし敷地が広く、給排水管の延長・アスファルト舗装・街灯などの屋外部分の修繕費が増える点はガイドラインも指摘しています。
- 低層マンションの修繕積立金の目安はいくらですか?
- 国土交通省ガイドラインの区分は階数(地上20階)と建築延床面積で決まり、5階以下という区分はありません。地上20階未満なので、建築延床面積で判定します。30戸×専有65㎡なら概算延床は約2,535㎡で5,000㎡未満の区分となり、平均335円/㎡・月(幅235〜430円)が目安になります。
あなたのマンションで計算する
低層(3〜5階)の典型的な数値をあらかじめ入れてあります。ご自分の数字に直してください。 入力はブラウザ内で処理され、サーバーへ送信されません。