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マンションのおかね
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タワーマンション(20階以上)の管理費・修繕積立金

管理費も㎡単価も全区分で最高です。ただし大規模修繕工事費については、一般に言われているのとは逆の調査結果が出ています。

対象: 地上20階以上(ガイドラインの「超高層マンション」)

20階建以上の管理費の平均は14,415円/月・戸で階数別の最高値。最安の11〜19階建より3,727円高くなっています。 修繕積立金の㎡単価も平均338円/㎡・月(幅240410円)で 5区分の最高です。

ところが大規模修繕工事費は違います。実態調査では超高層とそれ以外で 戸あたり工事金額に大きな差がなく、床面積あたりではむしろ超高層のほうが安い傾向が出ています。

つまり「タワマンは何もかも高い」ではありません。高いのは日常の管理と積立の水準で、 工事費そのものは事例上そこまで突出していない、というのがデータの示すところです。

管理費は階数別で最も高い

階数別の管理費と収入内訳
階数管理費総収入使用料等からの充当
3階建以下13,64220,1126,470円(32%)
4~5階建13,88017,5293,649円(21%)
6~10階建11,48416,9445,460円(32%)
11~19階建10,68816,5975,909円(36%)
20階建以上14,41524,58510,170円(41%)

単位: 円/月・戸(単棟型) / 出典: 令和5年度マンション総合調査結果 集計表 管27②・管27⑥ を加工して作成 (平均額の差から充当額を算出)

注目すべきは右端です。20階建以上は管理費会計の総収入24,585円のうち41%にあたる10,170を、駐車場使用料や共用施設の使用料からの 充当でまかなっています。11〜19階建の36%と比べて 突出して高い依存度です。

裏を返せば、機械式駐車場に空きが出たり共用施設の利用が落ちたりしたときに、区分所有者から集めている分より先に、この41%が減ります。 管理費の値上げを議論する前に、収支報告書で使用料収入の推移を確認してください。

大規模修繕は「割高」とは限らない — 調査結果は逆

一般的な説明とは逆の結果です

国土交通省令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」(818件)は、戸あたり工事金額に大きな差はみられないものの、床面積あたり工事金額では超高層マンションの方が安い傾向と結論しています。

超高層 n=45、それ以外 n=763。 超高層の事例数が45件と少ないため、これをもって「タワマンの修繕は安い」と 断定することはできません。ただし少なくとも、 戸あたり工事金額が突出して高いという事実は、この調査からは読み取れません。

考えられる理由は、超高層は1棟あたりの戸数が多く、共通仮設費や諸経費が多くの戸数に 分散されることです。ゴンドラや移動昇降式足場は通常の足場より高額ですが、 そのぶん戸数も多い、という構図になります。

工事回数別の工事金額と周期
工事回数戸あたり中央値床面積あたり中央値平均修繕周期
1回目110.2万円/戸1.1万円/㎡15.6
2回目106.1万円/戸1.3万円/㎡14
3回目以上97万円/戸1.2万円/㎡12.9

出典: 同報告書 p.13〜p.15 / 工事金額に共通仮設費および消費税を含まない / 価格時点は令和3年度 分布と四分位の全データを見る

タワマン固有の、本当の不確実性

タワーマンションで見積りが読みにくい理由は、単価が高いことではなく実績データが薄いことです。上の表の n=45 がそれを示しています。 日本の超高層マンションは築20〜30年の母数がまだ少なく、 2回目・3回目の大規模修繕を経験した事例が積み上がっていません。

さらに、制震・免震装置の点検、非常用エレベーター、給水設備の多段化、 空調の入った内廊下といった設備は、更新時期が来たときの費用の前例が乏しい領域です。 これらは「高い」というより「いくらになるか分からない」という性質の費用です。

したがってタワーマンションの長期修繕計画は、単価の精度を上げることより、幅を広く見ておくことのほうが実務的に意味があります。 ガイドラインの目安の幅(240410円/㎡・月、平均比で ±25%)は、 そのまま不確実性の目安として使えます。

段階増額積立方式に注意

分譲時の月額負担を抑えるため、タワーマンションでは段階増額積立方式が 採用されていることが多く、完成年次が新しいほどその割合が高くなります (全国では段階増額47.1%、均等積立40.5%)。

このとき現在の徴収額をガイドラインの目安と直接比べてはいけません。現在額は計画の初期額であり、目安は計画期間全体の平均額だからです。 比べると必ず「不足」と出ます。段階増額の場合は、ガイドライン p.14 の 「0.6×D ≦ E かつ 1.1×D ≧ F」(初期額は基準額の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内)で 引上げ計画そのものを点検してください。

データの限界について

このページで使っている20階建以上の管理費は有効回答41件、 大規模修繕の超高層事例は45件です。他のセグメントに比べて母数が小さく、 個々の物件の影響を受けやすい数字です。共用施設の充実度によって 管理費は大きく変わるため、平均値との差だけで判断せず、 自分のマンションの収支報告書と突き合わせてください。

このタイプの位置づけ

規模と高さの2軸で見たセグメントの位置
小規模(〜50戸)大規模(51戸〜)
超高層(20階〜)このページ
中高層(6〜19階)小規模(〜50戸)中規模(50〜200戸)
低層(〜5階)低層(3〜5階)

よくある質問

タワーマンションの管理費はいくらくらいですか?
国土交通省「令和5年度マンション総合調査」によると、20階建以上の月/戸当たりの管理費の平均は14,415円です(使用料等からの充当額を除く、単棟型・n=41)。階数別では最も高く、最安の11〜19階建(10,688円)より3,727円高くなっています。
タワーマンションの修繕積立金の目安はいくらですか?
国土交通省ガイドライン(令和6年6月改定)では、地上20階以上は建築延床面積によらず平均338円/㎡・月(幅240〜410円)です。20階未満の区分(252〜335円)より高く設定されています。専有75㎡なら平均で月25,350円にあたります。
タワーマンションの大規模修繕は割高ですか?
国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」では、超高層マンション(20階以上、n=45)とそれ以外(n=763)で戸あたり工事金額に大きな差はみられず、床面積あたり工事金額ではむしろ超高層のほうが安い傾向がみられました。一般に言われている説明とは逆の結果ですが、超高層の事例数が45件と少ないため断定はできません。
タワーマンションで修繕積立金が急に上がるのはなぜですか?
分譲時に修繕積立金を低く設定し、段階的に引き上げる「段階増額積立方式」が採用されている場合が多いためです。全国では段階増額が47.1%、均等積立が40.5%で、完成年次が新しいマンションほど段階増額の割合が高くなっています。ガイドライン p.14 は初期額を基準額の0.6倍以上、最終額を1.1倍以内とする考え方を示しています。

あなたのマンションで計算する

タワマン(20階以上)の典型的な数値をあらかじめ入れてあります。ご自分の数字に直してください。 入力はブラウザ内で処理され、サーバーへ送信されません。

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